島根県のほぼ中央に流れる一級河川江の川。江津市はその最下流に位置する街です。
この川は数年に1度氾濫し、その度に流域の住民に大きなダメージを与えます。
しかし、川の氾濫がもたらすのは決して害だけではないと思っています。何十回、何百回と氾濫してきたことで、上流や、山からの肥沃な土や養分が長い年月をかけてこの土地に堆積され、その恩恵を受けた土地で私たちは農作物を栽培しています。
長年の自然の恩恵によって育まれたこの土を、最大限に活用するために私たちが選んだのが「有機栽培」という選択肢です。
農薬や化学肥料を使わずに堆肥のみを使用し、この土地の土の中に住む微生物の力を活かした作物づくりを続けていくことで、この土地でしかできない作物を育てていると考えています。またそうすることで、本当の意味での持続可能な農業ができるのではないかと考えています。
近年、農薬や化学肥料をしっかり使用した作物や、添加物などを使用した加工品を摂取し続けることで体質が悪いほうに変わってしまうということが言われています。そうした時代の中で、消費者のニーズも健康的な食品に移行しつつあります。
それら社会の動向や、環境保全の意味合いでもこれからは有機栽培が当たり前の時代が来ると考え、早い段階で有機栽培の技術を確立し、有機農業に取り組んでいます。